自律神経失調症とは

自律神経は、いろいろな臓器や器官の働きを自動的に調節しています。
例えば、呼吸・血圧・脈拍・体温・発汗・排尿・排便など眠っていても、起きていても、夏でも、冬でも、強い風にあたっても、 高い山の上でも、生命が維持できるのは自律神経がつねに最適な状態に体調を保つように調節しているからです。
この機能に異常を起こした状態を自律神経失調症と呼んでいます。
男性・女性・年齢・原因などにより特徴のある症状もみられます。

更年期障害とは

ほとんどの女性で、卵巣ホルモンの分泌が変化するおおよそ44-57歳までの間に、2-5年間経験する自律神経失調症のことです。
自覚症状は更年期障害、自律神経失調症ともに不定愁訴(ふていしゅうそ)と呼ばれ似かよったものです。
不定愁訴とは、今日の検査では異常はみられないが、いろいろな不快な症状のみられるものです。

自律神経失調症について、漢方の考え方

漢方では東洋医学独特の考え方( 気・血・水の乱れ)、体質の変化、本人の病状の訴えなどを十分考慮して薬草の種類を選び処方を選定し、1日も早い回復をめざします。

こんな症状のある方ご相談ください。

1

体がだるい。気力がわかない。目が疲れる。肩や首がこる。
頭がボーッとする。体が熱い。急に上半身が熱くなり汗ばんでつらい。
夜眠れない。最近イライラする。体がフワフワする。
まっすぐ歩いているような気がしない。

2

のどに何かひっかかっているようで、気持ちが悪い。
胸元が押さえつけられたような圧迫感がある。
不安で落ちつかない。食欲がない。口が乾く。
みぞおちから、のどにかけてドクドクと動悸がする。
吐き気がする。不整脈がでる。

3

頭痛、めまい、吐き気がある。耳鳴り、ふわつき、
目の疲れも気になる。動くものを見ていると気分が悪くなる。
疲れやすい。深く眠れない。血圧が変動しやすい。
胃腸の調子もよくない。夜、床に入っていると手足がしびれる。

4

イライラしやすい。ちょっとしたことで涙がポロポロ出て仕方がない。
生理がきちんとこない。または、子宮、卵巣を手術した。
顔が赤くなったり、上半身が原因もなくドカドカして気持ちが悪い。
汗も多い。頭に何かかぶったようで何もやる気がしない。

5

日によって、体のあちこちが痛んだり、冷えたりする。
舌や口唇がしびれたり痛む。食事をしたいと思わない。
からだが宙に浮いた感じがする。小便が近くなんとなく
下腹がスッキリしない。

よく使用される基本処方

半夏厚朴湯・柴胡加竜骨牡蛎湯・加味逍遥散・連珠飲・苓桂味甘湯・酸棗仁湯など

予防と養生

自律神経失調症は生まれつき間脳の自律調節機能が弱く、敏感で緊張しやすい人がかかりやすい病気です。

  1. 自分の性格と体調を正しく把握して体調を崩さないよう、寝る時間・起きる時間・食事の時間などをリズミカルにしましょう。
  2. スポーツ・趣味などを積極的に生活の中に取り入れましょう。
  3. 体質にあった漢方薬を一定期間休まず継続してみましょう。
  4. 不快な症状や不眠の場合、病院でもらった自律神経調整剤、安定剤、睡眠剤など習慣にならないよう注意しながら服用しましょう。
  5. プラス思考で行動し現実にあった考え方を心がけましょう。
    • 完璧主義になり過ぎていないか?
    • 神経質になり過ぎていないか?
    • 人頼みになっていないか?
  6. 家族とのよい関係をこころがけましょう。
  7. 「いいかっこう」をするのをやめましょう。
    • (よい妻・よい嫁・よい母・よいお父さん・・・・・自分に素直になっていますか?)

更年期障害は、程度の差はあっても、ほとんどの人が経験する症状です。
余病(甲状腺・糖尿病・高血圧症など)を起こさないよう心がければ、やがておさまっていくものです。
養生方法・日常生活における注意は自律神経失調症の場合と同じです。

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